2020.08.201986年の「シャンブル・ダミ」(友達の部屋)展

2012年12月23日(日)
以下、2012年にシェアオフィス「さくらWORKS 新オフィスオープン企画」右側のアートリノベーションを似て非works監修の元、竣工時に企画したシャンブルダミ展上映会の時の記事から引用しました。

自分がアートの世界へ入る(日常の中の場に入り込んでゆくアートを意識する)きっかけとなったのが、1989年に安齋重男さんに見せてもらった、1986年の「シャンブル・ダミ」(友達の部屋)展へ安齋さんがベルギーゲントで記録した時のスライドショーでした。それはアートが町と関わる展覧会であり、「町の中にアートが入り込む」というものです。町の人にしてみれば、町に対する見え方が変わり、町を再認識することになりますが、あれから、自分自身今だ鮮明に記憶し続け、影響している事を再認識しています。

「シャンブル・ダミ」展は、ベルギーのゲント市内の51の住宅を会場にし、ヤンフートにより企画され、国内外から招聘された作家の作品は、町の中の、それぞれの家のためにつくられました。
また「展示室」の提供者だけでなく、監視スタッフや巡回タクシーの運転手なども市民から募り、市民が作り手として参加したゲントの町全体の画期的な展覧会でした。
重要なのは、作品ができあがるまでの過程で起こる発見や、人との繋がりだったりします。偶発性を共有することで、町が元々持っていた豊かさに気付き、それを再認識することで、町や人に変化をもたらし、此処ならではの「もの」や「こと」を未来に繋げていく。
ディレクターのヤンフートは、その評価として、ドキュメンタ9の総合ディレクターに任命された。

現在、僕が行なっている、アートワーク・リノベーションの現場では、アートと鑑賞者と云う観点から、更に日常に入り込み、そこで生まれた発想を、場に優先することで、偶発的に様々な事が繋がり出します。例えば、ペンキを塗る概念から、剥がす概念に変化させ、(削る事で生まれる模様を制作する)量産建材の経過を作品化する発想へ、左官屋さんと作家の出会いは、クライアントワークから、新たな角度から共に表現へ向けた視点により、壁や柱を、これまでに無い技法や表現方法を場で生み出すなど ――日々、現場は作品として更新されて行きます。
可能性が拡張し、思いもよらないような町と人とアートとの新しい関わりが、
気付きを生み出す場になります。
この「シャンブル・ダミ展スライド上映会は、再会した安齋さんと、そんな想いを再認識するものでした。
色褪せ無い記憶と、答えが無い未来をくれた人、安齋重男さんに感謝と共に、心よりご冥福を申し上げます。

nitehi works 代表 稲吉稔



(ゲント市モスコウ地区の家の内外にチョークで描くバート・ロデウェイクスのプロジェクト 2008-2009 photograph is courtesy of the artist. / photography: Huig Bartels)


以下、2012年に安齋重男氏(アートドキュメンタリスト)をゲストに迎え、
24年ぶりに、シャンブルダミ展のスライド上映会をして頂きました。

日程:2012年12月23日(日) 16時~18時 15時受付開始
会場:さくらWORKS<関内>右側物件
タイムスケジュール
16:00~18:00 上映会&解説
18:00~ 交流会
場所:さくらWORKS<関内>
ゲスト:安齋重男氏(アートドキュメンタリスト)
聞き手:稲吉稔氏(似て非works代表)