さくらworks 2011/3

2011年3月3日に改装工事が始まり、すぐに震災が起きた。
あれからもうすぐ13年。(2024/3記)
記憶の中には、何が残り何が消えてゆくか?もう一度振り返りたい。

「元々の痕跡を残す」をベースに、壁紙を剥がした跡や、タイルカーペットを剥がした跡、

地震によって出来た床のヒビの中に樹脂流し、防水を兼ねて記した。

過去の記憶を消さずに、

余白(人の創造性)を残して、次に引き渡す。

 

 

横浜コミュニティデザイン・ラボの杉浦裕樹さんから声がかかり、さくらWORKS〈関内〉のリノベーションを担当することに。

ご縁がある職人の方々のご協力や、10人ほどのアーティストに協力を打診し、それぞれが天井や柱を一緒にデザインしながら作品を制作する様に、現場で起こる、その都度の変化を見ながらそのプロセスを必然とした。

 

 

 

剥がした壁紙や床の跡を活かしつつ模様化し、床はエポキシ樹脂でコーティングした

さくらWORKS〈関内〉右側 リノベーションの様子。右側は現在はオンデザインのスペースとなり、いくつかの柱がそのまま残っている。

上の写真の左側にある柱に土を左官で塗るプランを考えていたが、その前段階にグラインダーでコンクリートを削る作業を見ていて、意図しないパターンに惹かれそのまま残すことにした。

 

その後、泰生ビルの507・509・510・511号室の賃貸の打診を受け、いわゆるリノベーションというよりは、天井や壁を壊して広くしたり、少しだけ手を加えて古いビルの風合いを残したりと、部屋を実験的にカスタマイズしていった。現在サブオフィス的に利用している509号室では、2016年にお母さんがリラックスできるスペースとして「kadoue mama picnic」を後藤清子さんと実証実験する。これが、現在泰生ビルで後藤さんが代表を務める保育園、ピクニックルームの前身になった。

泰有崇信より

泰生ビル 入居者ファイル#41 稲吉稔さん、渡辺梓さん(似て非works)

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